映画ブログ / 映画でなけりゃ!

スコアは5点満点。あくまで私見。

裏切りのサーカス

☆ 4.2点

「もぐら(二重スパイ)を捜せ!」英仏独合作のスパイ映画。
映画にも読解力なるものがあるとしたら、これは読み手に偏差値65以上が要求されるような映画。ちなみに自分は1度めは木っ端微塵に粉砕。気を取り直して再鑑賞。それでもまだ理解できてない気もする。

「楽しむ」スパイ映画にあらず、
「味わう」スパイ映画。

本当のスパイの世界はきっとこんな感じなんだと思える。

俳優陣スゴい‼

主演のゲイリー・オールドマンの他に、コリン・ファースベネディクト・カンバーバッチトム・ハーディーなど。

全体的に暗い陰鬱なトーンのなかに、トム・ハーディー演じるリッキーとイリーナとの束の間の情事は、極寒の絶壁に咲いた一輪の花の印象を与える。

オールドマンの演技は重厚。
「長年互いの体制の弱点を探る仕事をしてきた。そろそろ、どちらの体制も大した価値はないと認める潮時だろ」
「彼は狂信者だ。狂信者は常に心に疑念を抱く。だから勝てる」
この台詞の深み。思わず、うなった。

とは言え、自分にとっての主役は、マーク・ストロング演じるプリドーだ。大きな動きの少ない本作品のなかにあって、実は彼だけ派手。プリドーに始まり、プリドーが締める。だが、一番自分が気に入ったのは、最初でも最後でもなく、彼が小学校?の教員に身をやつしている間の、本筋とは全く無関係な行動だ。彼の優しい人間性が滲む。たまたま接した少年に対して、彼がとった教師としての行動は素晴らしかった。

そこが自分は気に入った。

生きるとはこういうこと。

生まれて死ぬまでの間に、1人でもいい。誰かに価値ある影響を与えることができれば、それでいいんじゃないかと。

本筋じゃないかに見えて、実は、そっちが本筋で、全ては、彼がその子に出会い、その子を救うためのプロローグに過ぎなかったのではないかと。

思ったな。

それにしても、裏切者多すぎ。これでは、邦題通りの『裏切りのサーカス』だよ。(笑)