映画ブログ / 映画でなけりゃ!

スコアは5点満点。あくまで私見。

言の葉の庭

 ☆ 3.5点

言の葉の庭

言の葉の庭

 
新海監督初鑑賞。宮崎アニメやディズニーアニメの非日常的なストーリー展開のアニメとは一線を画す、日常に光を当てた『純文学』の香りのする作品。特に前半は漱石三部作でも読んでるかのような感覚。

雨が出会いをつくり、雨が二人の距離を近づけていく。ありきたりとはいえ、いい。吉永小百合の『白鳥』とかね。

秀逸なのは日常の景観。何気ない、ありきたりの街並みを、雨に乱反射する光で、見事に宝石のように輝かせてみせている。まるで、「日常を生きよ」「日常をもっと楽しめ」という作者のメッセージが込められているかのよう。

ただ、残念なのは後半。あれだけ二人の距離が縮まる様子を丁寧に表現していたのに、クライマックスに向かうほどに直言的になっていった。そこが、出だしの繊細で婉曲的な雰囲気とはどうしても釣り合いがとれず、なんか乱暴に思えてしまった。(^_^;)

最近の新海監督フィーバーは何だろう。ディズニーや宮崎アニメを見て育ってきたアニメ飽食時代の子供たちが成長して、今までのアニメでは空き足らなくなった心の隙間にストンと、等身大のアニメが落ちてきたという現象だろうか?

かつて、漫画ブームが終わり、劇画ブームが到来したのに似た現象。

もしくは、『巨人の星』や『ドカベン』のような超人的な主人公が活躍するものが流行らなくなり、代わって、より身近な野球漫画として『タッチ』が大流行したような・・・。

ま、理屈はさておき、自分はこれをみた後、なぜか桜井幸子の『高校教師』を見返してしまった。(^_^;)

ちなみに、自分的には、ユキノは教師より、普通のOLの設定であったほうがよかったなあ。